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長かった道のり・・・弊社で「血糖測定器」によるブドウ糖測定が実用化されるまで・・・

今回は酒づくりの技術のまじめな話。
カプロン酸エステル類を産生する
弱い酵母(セルレニン耐性酵母)がたくさん使われるようになり
以前にも増して吟醸等の醪中のブドウ糖量が重視されるようになってきました。


この酵母ひ弱で、ブドウ糖以外の
資化しにくい(餌にしにくい)ともいわれ、又口当たりの良い酒をつくる
上からも醪末期まで適量のブドウ糖を適度に醪中に残すのが良いとされています。
で、数年前からうちでも「尿糖試験紙」を使い
醪のブドウ糖量をはかりだしました・・・。


ただ「尿糖試験紙」は比色なので
数字があいまいで今ひとつ物足りない・・・。
そうだ、糖尿病患者用の「血糖測定器」を使おう!
・・・ここまでは、誰もが思いつく当然の結論。


早速「血糖測定器」を調達
希釈方法を検討し適正濃度になるように試料を調整。


いざ測定・・・高値エラー・・・???・・・原因不明。
しかも「尿糖試験紙」とも明らかに数字が違う・・・


尿糖試験紙」がほとんど良い数字を出しているので
それに近い原理を利用すればよい
そこで本気になって「血糖測定器」の
測定原理をしらべました。


結果、大きく分けて「酵素電極法」と
酵素比色(比色定量)法」の2つがあることを知りました。
さらに、細かく分けると・・・グルコースオキシダーゼ(GOD)法
グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)法
ヘキソキナーゼ(HX)法
グルコースオキシダーゼ / ペルオキシダーゼ(GOD / POD)法
の4方式です。


いずれも測定に酵素が関与していることに気づく
由来の酵素がじゃましているのかも・・・」
から生成された
酵素製剤タカジアスターゼからは
合計50種類以上酵素が分離されたとも聞きます・・・・


そうだ!酵素はたんぱく質なので
70℃に加熱して失活させてしまおう


・・・ところがこんどは
尿糖試験紙に比べ「過小値」が出る・・・・


とうとう医薬品卸「サンキ」さんを通じ
血糖測定器の発売元
株式会社 三和化学研究所」さんに問い合わせをしました。



当分するとびっしり書いたレポート用紙がひらりと一枚。
要約すると「酒の中の何かの成分が邪魔をしていると
推測されるが、本来血糖を測るものであり
酒のブドウ糖を測る為につくられていない。」
・・・・きわめて迷惑そうなそっけない返事。
・・・・そんな事分かっとるわ・・・ここでいったんあきらめた


・・・ところが翌年、醸造機械屋さんから問い合わせがあった。
『「血糖測定器」のチップが手にはいらんだろうか?』
高度医療機器販売管理者の制度によって
管理者がいないところは仕入れができなくなった・・・)
「前年さんざん苦労したのですぐピンと来た
・・・どこか「血糖測定器」を醪のブドウ糖測定に使っているな?
測定器のメーカーどこ?
型番は?どうやって測っているか聞いて~?」


聞くと、よりによって、うちが使ったのと
同じメーカーの同じ型番
併売品なので名称こそ違うが・・・
問い合わせもとの酒蔵がどこかは教えてもらえなかったが
使い方は『普通に測っている』とまことにそっけない返事。


それではと
再度「普通」に測ってみると
「あれっれっ普通に測れるじゃん・・・・」
あの苦しみはなんだったのか?
・・・最初に失敗した理由がいまだに分かりません


でも、今回は、同じことを考えた方が他にもいて救われましたが
仮説を立てたら実験は何度か繰り返し、
一回だけで結果を決めてしまわない事の重要性をあらためて実感しました・・。


この夏の岡山県の技術講習会で
ブドウ糖を測定しているが挙手求められたら
うち以外にももう1軒あったそうです。



2月20日(日曜日)今朝6時の外気は-2℃ぐらい!


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Author:作州武蔵くん
中国山地の片田舎&小酒屋の長男に生まれてしまい、しかもなぜか進んだ道は薬剤師と言う変人です。
全職員が一丸となって酒づくり

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